Sherlock S2E3-3
シャーロックは靴底についていた物質とホームレスのネットワークを使って、あっという間に兄妹がいる場所をつきとめる。
そこは、今は使われていない古いチョコレート工場だった。
助け出された妹に面会するシャーロック。おどかさないように、と言われ自分らしくなく、と、コートの襟を直す。少女はシャーロックの顔をみるなり恐怖の叫び声をあげる。
部屋を出ると向かいのビルの照明がつきIOU の文字。シャーロックはモリアーティの計画に気づき始める。
シャーロックの後ろ姿を見るサリーの顔に疑念が浮かぶ。
足跡だけで場所がつきとめられるなんてすばらしいわね、信じられない、とサリー。
サリーはレストレードにも疑念を主張する。誘拐事件はシャーロックの自作自演だと。
アンダーソンも同意する。
何かを考え始めたシャ-ロック、ジョンとは違うタクシーに一人で乗る。
タクシーの車載テレビに映し出されたのはモリアーティの顔のアップ。
これはSir Boast-a-lot自慢大好き卿のお話だよ
Sir Boast-lotは騎士達の中で一番勇敢でした
でもやがて騎士たちは彼の自慢話を信じなくなりました
アーサー王もとうとう考え始めました
でもそれは最後の問題the final problemではありませんでした
タクシーを運転していたのはモリアーティだった。
タクシーを降り車にひかれそうになったシャーロックを助けた男と、シャーロックが握手しようとしたとたん、男は射殺される。助けた男はマイクロフトが言っていた殺し屋の一人だった。
ベイカー街221B
部屋に戻ったシャーロックは、WiFi ネットワークのローカルリストから、本棚に隠してあった隠しカメラを見つける。
レストレードがシャーロックを連行しに部屋に入ってくる。
一緒に行くことを拒否するシャ-ロック。
ここからは、S2E3の二人の関係をよく表す象徴的なシーン。
ジョン:一緒にいけばよかったのに。世間 peopleは・・・
シャーロック:世間はどうでもいい
ジョン:バカだと思われたら気にするくせに
シャーロック:思うほうがバカだ
ジョン:嫌なんだ。世間が君のことを・・the world believing you’re・・
ジョンは一瞬言葉を失う。見つめあう二人。
シャ-ロック:どう思うと?
ジョン:ペテン師 a fraud・・・
シャーロック:世間が正しいかも?不安なんだな?
ジョン:違う
シャ-ロック:だから動揺しているんだ。自分も騙されたかと思って
ジョン:違う
シャーロック:君までモリアーテイの印象操作にひっかかるな! 何がおきてるのか、わからないのか!
シャーロックはいらだち感情的にテーブルをたたく。S4ではいろいろあるけれど、それまでは感情を素で現すシーンはここだけだ。
シャーロックのいらだちと不安の正体は?いつも完璧に感情をコントロールしているシャーロック。彼のことだ。世の中の誰一人自分を信用しなくてもかまわない。
でもジョンが信じてくれなかったら。ジョンが自分から去っていったら。それはどんなにか孤独な世界だろう。この時、シャーロックは、はっきり自覚したはずだ。自分にとって守るべき大切な存在があることを。
人には守るべきものがあるのだ。
ジョンはそのシャーロックのいらだちをうけとめるかのように、窓の外を見ながら静かに言う。
ジョン:僕は本当の君を知っている
シャーロック:完全に?
ジョン:こんな嫌な野郎に化ける人間はいない・・
この時のジョンの表情は、静かな自信と優しさにあふれている。
いつもの自分らしくなく思わず自分の不安を感情のままに口にした直後、こんな風に言われたら、さすがのシャーロックも嬉しいよね。この時のシャーロックの表情には、思わずありのままの気持が滲み出る。
スコットランドヤート
警視正からシャーロック逮捕を命じられるレストレード。
ベイカー街221B
ハドソンさんが郵便物をもってくる。
赤い蝋印のある封筒の中身は、焼け焦げたジンジャーマンブレッドだった。
シャーロックは、レストレードに誘拐容疑で逮捕される。
サリーは、ジョンにいつか彼は一線を越えると思っていた、と満足気に言う。S1E1からの伏線がここで着地する。
ジョンはシャ-ロックのことを「英雄気取りのイカレタ男」と言った警視正を殴り、手錠をかけられる。
シャーロックは警官の銃を奪い、二人は逃げる。
二人が走る道の壁には赤いIOUの文字。
手で顔を覆うレストレード。
警視正は奴らを追えと叫ぶが、レストレードはサリーの後から一瞬遅れておもむろに動き出す。
ここで、
シャーロック:手をつなぐんだ Take my hand
ジョン:絶対、うわさになる
二人はバスの前に飛び出し、殺し屋からシャーロックの部屋に万能のコンピューターコードが隠してあることを聞き出す。
モリアーティの目的は、僕に汚名を着せること。今や僕は犯罪者たちの仲間いりだ、とシャーロック。
逃げる途中、ジョンは屋外スタンドに新聞の山があるのに気づきシャーロックに見せる。それはマイクロフトの部屋にあったのものと同じ、キテイの暴露記事がのったThe Sunだった。Richard Brookの名前を見たシャーロックの表情が変わる。
キテイ・ライリーの部屋
キテイの部屋で手錠のままキテイの帰りを待つ二人。キテイが戻りヘアピンで手錠の鍵をはずす。キテイに情報源であるRichard Brookのことを問いただしていると、そこへ入ってきたのはなんとモリアーティだった。
キテイは、Richard Brook は俳優で、シャーロックに雇われモリアーティ役を演じていただけだという。弱々しく謝り続ける Ricahrd Brookのモリアーティ。
だが、顔をふさぐモリアーティの手の指のすきまから、一瞬本性がかいま見える。シャーロックはモリアーティの意図がわかり始める。シャーロックは何も言わない。ここは二人の俳優が丁々発止で目と目の演技を競いあう。
ついにシャーロックがやめろ!と怒り、モリアーティは逃げる。キテイの部屋から出た二人、シャーロックは、やつはゲームの仕上げに、と言ってはっと何かに気づき、やることがあると言ってジョンとわかれる。