Sherlock S3E1-1
シーズン3 エピソード1
空の霊柩車 The Empty Hearse
脚本:マーク・ゲイテイス
監督:ジェレミー・ラヴァリング
さあ、いよいよシーズン3まで来た。
もともと私がこのブログを書こうと思ったのはS3S4のため。世のシャーロキアンの諸先輩のみなさんの評判があまりに悪く、特にS4なんてめちゃくちゃ低評価なので、私なりに楽しんだ楽しみ方を書いてみたいと思ったのがきっかけだ。
どこかで諸先輩にご挨拶しなければ、と思っているのだが、ちょっと畏れおおくて、そういう方たちの目にとまらず、ひっそりと書いているのがいいかなと思ったりしている。
当初、このドラマシリーズは60分のものを6本作る予定だったという。ということはS2E3までは最初からの構想だということだ。だからS1S2は原作の世界そのままにシャーロックの成長を描いている。
しかしS3以降は、モファットとゲイティスの作りあげた世界だ。オリジナルな続編ともいえる。S1S2と断絶があるのは当然とも言えるかもしれない。
まずタイトル「空の霊柩車」は、原作でドイルがホームズを正式に復活させる「空家の冒険」The Empty Houseから。
ドラマの中ではシャーロックの生存を信じるシャーロックファンのグループ名として使われている。霊柩車には遺体はなかった、という意味もある。
あのアンダーソンがヤードをやめ、やめさせられ?今ではシャーロックファンとなり、このグループのリーダーとなっている。
シャーロックの復活、ジョンとの和解、これがこの回の中心となる。そして同時にシャーロックとジョンとメアリーの物語の始まりでもある。
またS3E1は、マイクロフトとシャーロックがからむシーンが多いのも嬉しい。兄弟の秘密がちょっと見られる。
画面のトーンはどうして決めるの?というマーテインの質問に、モファットが内容が暗いと画面も暗くなる、とS1E3のコメンタリーで答えていた。
12回のドラマの中で、S3E1とそしてさらにS3E2の画面だけ例外的に明るい。この二回は人間関係の不安が何もない。これ以降ただただ暗くなっていくだけだから、この明るさは嬉しい。
プロローグ
いつもはプロローグについてはふれなかったが、今回はストーリーの一部なので簡単に。
Fallの謎解き
シャーッロクが落下した後ジョンが遺体にかけよるが、屋上ではモリアーティの顔にシャーロックのマスクがつけられていく。目にはカラーコンタクト。ジョンは自転車にぶつかり地面に倒れる。ジョンはダレン・ブラウン(イギリスで人気のマジシャン)に催眠術をかけられ時計の針を戻される。
シャーロックはバンジージャンプでモリーのいる階まで戻り、窓ガラスをつき破ってモリーの元へ。そして熱いキスを。
これはアンダーソンの妄想。アンダーソンはレストレードに、fallの謎ときを話してバカにされる。その二人がいる場所は裁判所前のコーヒースタンド。
裁判所前では複数のレポーターがカメラに向かって次々と話しかける。
警察による捜査の結果、Richard Brookはモリアーティが作り上げた存在だということが判明・・
法廷ではシャーロックホームズの身の潔白が証明され、全ての嫌疑が晴れた。。
残念ながらあのできごとから二年が過ぎ、探偵にとってはすべては遅すぎた。。
墓地
シャーロックの墓の前にたたずむジョン。ジョンのかたわらでその手を一人の女性が握る。
森の中でとらえられ拷問される長髪の男。椅子に座っていた軍人が声をかける。
最初はセルビア語で、やがて英語になる。「ロンドンで地下組織による大規模なテロ計画がある。悪いが休暇は終わりだ、弟よ、ベーカーストリートにもどりたまえ」、それはマイクロフトだった。
オープニング
ジョンが地下鉄に乗っている。この映像は陰影も色彩も綺麗。これからの展開を予告するようだ。地上では黒い車が走る。ガーキンが映る。車はシティを過ぎていく。
部屋にいるマイクロフト、壁には、若きエリザベス女王の肖像画。
車はディオゲネスクラブへ着く。
マイクロフトはこのクラブの創立者の一人だから、ジョンと話しているいつもの談話室とは別に自分の部屋もある!日がさしこんでいないので地下?
ベイカー街
ハドソンさんのところへ向かうジョン、そこへガイ・フォークスディのための小銭を貰いに町を歩く子どもたちがジョンの前を横切る。
ガイ・フォークスディはイギリスではとてもポピュラーだ。
「ガイフォークスは、1605年にイングランドで発覚した政府転覆未遂事件の首謀者の一人。上院議場の地下に仕掛けた大量の火薬を用いて、1605年11月5日の開院式に出席する国王ジェームズ1世らを爆殺する陰謀を企てたが、実行直前に露見して失敗に終わった」(Wikipedia)
マイクロフトの部屋
髭をそってもらっているシャーロック。
シャーロック:モリアーティの組織を壊滅させるのに二年かかった。最後の鍵がセルビアだった
マイクロフト:一言くらい、礼をいってくれてもいいだろう
シャーロック:何に?
マイクロフト:現場が苦手なのに、私みずから助けに行った
シャーロックは、痛みに顔をしかめる。セルビアで受けた傷がまだ痛む。
シャーロック:僕が殴られるのを見て楽しんでただろ
マイクロフト:私が脱出させてやったんだぞ
シャーロック:僕は自分の力で脱出した。自力で。介入が遅すぎる。絶対楽しんでた
マイクロフト:秘密潜入するのにどれほど苦労したと思ってる。
シャーロック:セルビア語、話せたのか
マイクロフト:話せなかったが、、2時間で覚えた
シャーロック:前より衰えたもんだ
この二年間はシャーロックにとって過酷な年月だった。マイクロフトもそれをわかっているから、危険をおかして自分にとって未知の言語であるセルビア語を習得してまで、自ら弟を救出しにいった。
二人とも互いの事情をよくわかっていて、この会話だ。
アンシアがマイクロフトが作ったおいたスーツとシャツをもって登場。
ベイカー街221A
ジョンは221Aでハドソンさんに電話できなかったことをわびる。
二人で221Bへ。埃の舞う部屋、あるじの不在の長さを物語る。
近いうちに結婚することを報告する。ここでおなじみゲイネタ。
マイクロフトの部屋
マイクロフト: 細心の注意で捜査にあたれ
シャーロック: このシャツ、どう?
シャーロック:ジョンを驚かせるぞ、きっと喜ぶだろうな
マイクロフト:そう思うか?
二年もたってるんだぞ、彼には彼の人生が。
シャーロック:知るか。僕は留守だった
ジョンが自分に会ったら喜んでくれると無邪気なシャーロック。苦労したはずなのにまだ子どもだ。
アンシアがコートを着せてくれてシャーロックが完成。コートは、あのとき血まみれになったはずだからマイクロフトが作っておいてくれたか、あるいは、後で種明かしのところで、コートは何枚もある、って言ってたからその中の一枚か。
襟がたててある。アンシア、good job !
シャーロックはその襟を直す。
アンシア:お帰りなさい。ホームズさん
シャーロックはビルの屋上からロンドンの町を見渡す。懐かしいロンドンの感覚を呼び戻すかのように。