Sherlock S1E1-3
ベイカー街221B
スコットランドヤードによってドラッグの捜索が行われている。
ジョンとシャーロックの会話から、シャーロックが以前ドラッグをやっていたことがわかる。レストレード、サリー、アンダーソンも捜査に。
レストレードはヤードの中では唯一、シャーロックを理解し信頼している。レストレード自身が非常に優秀だからだ。彼は組織の中の人間だから表面上はあまりおおっぴらには出さないが、シャーロックのことを大事に思っている。レストレードは50歳くらい。イケメン、ルパートの実年齢に近い?部下たちが、シャーロックを敵視し嫌っている中で、シャーロックの能力を認めて見守っている。
同じ場面で、アンダーソンがシャーロックをサイコパス psychopathと呼ぶと、シャーロックは 、即座に違う、 高機能ソシオパス high-functioning sociopath だと。この言葉は、シャーロックの口からこれから何回も繰り返される。だが、最後まで見ていくと解釈がなかなか難しい。
その後は犯人の誘いにのってシャーロックは車の中へ。シャーロックが出ていった後のレストレードの台詞。
Sherlock Holmes is a greatman. And I think,one day, if we're very very lucky he might even be a good one.
シャーロック・ホームズはすごいヤツだ
もしも我々が幸運だったら、いつか、彼はいい人間にだってなるかもしれない
S4E3で物語の最後近くで、同じくレストレードが言うセリフと対になっている。
この後は犯人とシャーロックの1対1の対決シーン。
夜の専門学校の校舎
犯人は原作「緋色の研究」と同じジェファーソン・ホープ。目と目の演技の見所だが残念ながら省略。ホープの造形は原作と共通点も違う点も。犯罪の動機は全く違う。原作では、犯人に同情してしまう。
逃げようと思えば逃げられたのに、好奇心と自分の正しさの証明のため、命を賭けて薬を飲もうとするシャーロック。あぶない!シャーロック、死んじゃうかもしれないのに。その危機をジョンが救う。
ジョンはシャーロックが賢さを証明するため危険を犯したと言う。
なぜ僕がそんなことを?とシャーロック。
ジョンは、君がバカだからと。Because you're
an idiot.
それを聞いてニヤリとするシャーロック。シャーロックは、自分が認められ、そして自分も認める相手と初めて巡りあったことを理解する。
そこへマイクロフトとアンシアが現れる。
ここで、ジョンは悪者だと思っていた人物がシャーロックの兄だと知ることとなる。
ここのシャーロックとマイクロフトとの会話が面白い。
マイクロフト: You and I belong on the same side. 私たちは同じ側にいる
シャーロック: Oddly enough, no. 妙な話だね。 違うな
マイクロフトが、母がシャーロックのせいで悲しんでいる、というのだが、マイクロフトのような大人の男性が、Mummy という子ども言葉を使うのがおかしい。マザコン?
ジョン: He's not...Some kind of...criminal mastermind (マイクロフトは) 悪の黒幕か何か、かと
シャーロック: Close enough 近いな
マイクロフト: I occupy a minor post
in the British Goverment. わたしはイギリス政府のささやかな職についている
シャーロック: He is the British Goverment.
彼はイギリス政府そのものさ
S1E1をしめくくるのは
Sherlock Holmes and Doctor Watson というマイクロフトのセリフ。さあ、ここからシャーロックとジョンの冒険が始まる、という宣言だ。この言葉は、S4E3、最後の最後に再び使われる。
そして、シャーロックとジョン、二人が顔を見あわせ微笑みながら並んで歩いていくシーンでこの回は終わる。
結局、謎は全部明かされない。
シャーロックが飲もうとした薬は正しい選択だったのか。犯人はなぜすべてのゲームに勝ったのか。モリアーテイとは誰かも含め謎のままだ。中心的な謎が解かれていないので推理作品としては完全ではない。これが、このドラマシリーズ全体の特徴だ。
S1E1で、メアリーを除いてほとんどの主要な登場人物が紹介された。シャーロックの理解者も、理解しないで敵対する人たちも。
若いシャーロックのまだ大人になりきらない未完成なあやうさ、傲慢さ。
シャーロックの変化とともに、ジョンとの関係も刻々と変わっていく。そして、ドラマシリーズの最後に世界的に有名な二人組が誕生する。その物語の始まりだ。
S1E2 へと続きます。