Sherlock S2E2-2
バスカヴィル研究所
シャーロックが運転するLand Roverが入っていくと看板には秘密基地restricted area の文字。無断借用のマイクロフトの万能の許可証を使用。
警備の伍長に、ジョンが第五ノーサンバーランド歩兵連隊のジョン・ワトソン大尉だ、といって査察の案内を命令する。
研究所の真っ白なラボ。コメンタリーではキューブリックを意識したと言っていた。ガスマスクを外して手にもったフランクランド博士と最初に会う。伏線。次に会うのが遺伝子操作専門のステープルトン博士、手帳に書いたブルーベルの文字を見せる。ここでセキュリテイ侵犯の警告がでる。
バリモア少佐にゆくてを遮られ、あわやというところで助け船を出したのがフランクランド。別れ際に携帯のことをセル・フオンという。伏線。
ヘンリー・ナイトの家
たくさんの部屋や温室がある豪邸。原作由来。ここではお金持ちという設定。
まずはキッチンカウンターでコーヒー。シャーロックはいつも通り砂糖二つ。
ヘンリーは二つの言葉が見えてくる、と訴える。Libertyとin。
シャーロックは、ヘンリーに夜に湿原に行くことを提案する。
湿原
夕暮れ時、ヘンリーがシャーロックとジョンをDewer’s Hollowへ案内する。やがてあたりは闇に包まれる。途中でジョンだけ道を右に折れ、モールス信号とおぼしき車のライトの点滅を見る。
ヘンリーとシャーロックは、道を左に折れDewer’s Hollowの窪地の底まで降りる。不気味なうなり声がきこえ懐中電灯でそれを照らしたシャーロックの顔が恐怖でゆがみ、当惑し、混乱する。
宿の暖炉の前
この数分間のシーン。S2E2の核心。ゲイテイスはここが最も描きたかったはずだ。
自分自身の恐怖にむきあって混乱するシャーロック。ここのベネデイクトはうまいな。自分がゆらぐ怖さ。理性の人が自分の理性を疑う時、足もとがぐらぐらと揺らぐはずだ。その恐怖。
ジョンがシャーロックにかける、
all right, Spock、うん、わかるよ、スポック、
という言葉は何より雄弁だ。
あ、「スター・トレック」のミスター・スポックね。あの耳の長いヴァルカン人。理性の人。
ここのコメンタリーでゲイテイスは、徹底した合理的思考の持ち主が、ありえないものに直面したらどうなるか?
シャ-ロックは危機を迎える。50歳のシャーロックなら、あっさり自分の恐怖を認めてしまうだろうが、ここのシャーロックはまだ修行中で、恐怖を感じている自分にとまどい、動揺する、と。まだ未完成なシャーロック。
シャーロックはレストランにいる人たちをジョンに高速推理してみせる、この推理は自分を証明するため。
ジャーロックは自分は正常だ、と何度も叫ぶ。ジョンに言っているように見えるが自分に言い聞かせている。自分は正常だ、狂っていない、実際には錯乱して叫びだしそうになっている。
いつもは感情を完璧にコントロールしているシャーロック、コントロールを失い、一人にしてくれと叫び、落ち着かせようとしたジョンに、僕には友達などいないと言ってしまう。ジョンは黙って外へでていく。
外へ出たジョン、モールス信号かと思っていた車のライトの点滅。近くまで行ってみて、カーセックスのためとわかる。
翌朝、岩山
シャーロック、僕ってかっこいいモード全開。いつものシャーロックが戻ってきた。何かのアイディアをつかんだ。
ヘンリー邸
上機嫌のシャーロックがヘンリー邸を尋ね、キッチンの戸棚から砂糖をこっそり失敬する。
教会前
シャーロックが、ジョンにうろうろつきまとって言うセリフ。
「僕には友達はいない。君一人を除いては」の後に続く「君はすばらしい。光り輝かないが、光の伝導体 a conductor of light として最高だ」は、原作「バスカヴィル家の犬」の冒頭そのまま。
すごい、ゲイティス。こんな風に使えるなんて。
シャーロックは手帳に文字を書いてジョンに見せる。H.O.U.N.D.、言葉ではなく頭文字だったとしたら?
ヒントになったのが、ジョンが見ていた車のライトの点滅で浮かんだ文字。単語ではないかもしれない、と。そこで光の伝導体。
Cross Keys Inn
レストレード登場。コメンタリーでは、レストレードはマイクロフトにシャーロック調教のため送りこまれた、と。
ジョンが肉の納品書をみせ、レストレードがオーナーを尋問、犬を飼っていたが既に安楽死させたとオーナーは主張する。
そのうしろで、シャ-ロックがポケットから砂糖を取り出し、ジョンに砂糖いりコーヒーをもっていく。
一口飲んでジョンは顔をしかめ、「僕は砂糖は、、」というのだが、シャーロックが傷ついた顔をするのを見て思い直してコーヒーを飲む。おいしかったよ、と言って。
優しいジョン!
ジョンはいつも、相手のリアクションを瞬時に理解するので、こうなる。それもわかっていてやってるな。シャーロックは。
シャーロックはジョンがちゃんと飲んだかカップを確認する。
Innを出ながら、ジョンはレストレードに、あなたに会えてシャーロックは本当は喜んでいる、典型的なAspergerと。
アスペルガーという言葉が使われるのは、ドラマシリーズの中でここ一回だけ。シャーロックが何回も使うソシオパスは、シャーロックが自分で自分を形容する言葉。
まわりはアスペルガーと思ってたのかな?
バスカヴィル研究所
今度はマイクロフトによる24時間無制限アクセス権とともに再訪。
シャーロックは、バリモア少佐に会いにいき、ジョンだけがラボに入る。後でわかるが、シャーロックはバリモアと交渉して協力を取りつけていた。
ジョンは、ラボの奥へ続くドアをあける。ドアには Keep out, Unless you want a cold と。奥には金属製のパイプがたくさんあり、その一つからはガスがもれている。ラボに戻ると強烈なライトがつき警報がなる。部屋をでようとするとAccess Denied。ライトが消え、うなり声がきこえる。
ジョンは檻の中に逃げ込み、魔犬を見る。
そこへシャ-ロックが現れる。
これ全部シャーロックのしわざね。冷酷シャーロック復活。
シャーロックはステープルトンの顕微鏡を借り、ヘンリーのところからもってきた砂糖を調べるが何もでない。
その3に続きます。