Sherlock S2E2-3
バスカヴィル研究所cont.
「マインドパレス」がここで初登場。
シャーロックが突然ステープルトンとジョンにマインドパレスから出ていけ!と、怒鳴る。驚くステープルトンに、ジョンが、マインドパレスは、心の地図を用いた記憶術と説明。
シャーロックはヘンリーがいう Liberty と inから、言葉をたぐり寄せる。
Liberty :リバテイ・パターン、リバテイ百貨店、自由・平等・博愛、スーザの自由の鐘
hound : リッジバッグ、ウルフハウンド、エルビスのハウンドドック
するとインデイアナ州リバティ
H.O.U.N.D. が浮かぶ。
ここの画像が綺麗な上に遊び心いっぱいで楽しい。ベネディクトの瞳も綺麗だし。
Liberty, In 、すなわち、インディアナ州リバティでCIAが行っていたのがプロジェクト・ハウンド。
詳細を調べるため、バリモアのPCから機密データにアクセスしようとパスワードを推測する。本棚に並んだ本からサッチャーに目星をつけるが、、Maggieはちょっと簡単すぎないか?軍のパスワードだから、数字とかもうちょっと複雑にしないかな?
内容は恐るべきものだった。人を暗示にかける新薬とそれを使った化学兵器の開発が目的。
この化学兵器は、薬剤噴霧によって恐怖をすりこみ暗示にかけるというもの。しかし、被験者にパラノイヤや殺人が多発し、1986年にプロジェクトは中止、情報は隠蔽された。
ハウンドは当時の主要チームメンバー5人の頭文字をとったものだった。シャーロックたちはプロジェクトのチームメンバーが揃いのトレーナーを着ている写真を見る。そのトレーナーには大きく魔犬の顔がプリントされている。魔犬の顔の下にはいくつかの文字。
その実験を、アメリカからイギリスに渡ってなお密かに20年間続けてきた人間がいた。
写真に写っていたのは若き日のフランクランド。アメリカに長くいたから携帯をセルフォンと呼ぶ習慣がぬけない。
Dewer's Hollow
錯乱したヘンリーが銃をもって窪地へ。フランクランドの薬のため我を失って自殺しようとする。シャーロックはそれをとめようとして、真実を話す。
シャ-ロックの語り口が優しい。自分も同じように苦しんだからね。ヘンリーの混乱が理解できる。
僕らが魔犬を見たのは薬の幻覚作用
恐怖を刺激されて幻影を見たんだ
君が死ねば、人々は噂を信じるだろう
君の記憶が戻れば犯人は破滅する
君の正気を失わせ、変人扱いされるように仕向けたんだ
君が見たのは魔犬でも怪物でもなく、ガスマスクをつけた人間だった
着ていたのは魔犬が書かれたトレーナーで、H.O.U.N.D. Liberty, In という文字が書かれていた
子どもだった君はその事実をうけとめきれず、違ったものに変換したんだ
ガスマスクをかぶったフランクランドが現れる。シャーロックがマスクをとると、そこにはモリアーティの顔が。シャ-ロックの深層の恐怖はモリアーテイ。
窪地の上から赤い目の魔犬が降りてくる。レストレードが銃を撃つがあたらずジョンがしとめる。さすが元軍人。
撃たれてそこに倒れていたのは魔犬ではなく普通の黒い犬だった。Innのオーナーは犬を殺していなかった。
フランクランドは地雷原に逃げ込み、運命を受け入れるように自爆する。
Innの前
翌朝。
ジョンにコーヒーをもってくるシャーロック。ほんのお詫び?
ここの会話がステキ。
シャーロック:やはり、犬を安楽死させていなか
ったな
ジョン:そうする気にならなかったのだろう
シャーロック: わかるな I see.
ジョン: いや、わからないだろ No, you don't.
シャーロック: いや、そんなことないさ No, I don't. 感情? Sentiment ?
ジョン: だね! Sentiment !
S2E1で、シャーロックがアイリーンに冷たく言い放った言葉。
Sentiment is a chemical defect found in the losing side.
感情は敗者に見られる化学的欠陥だ
この同じ言葉を、今、シャーロックが使う。昨晩は、凶器も現場も一度に判明、とはしゃいで、ジョンにタイミングが悪いと叱られたシャーロックだったが、前とはちょっと変わった。
ラボに閉じ込められた実験のことをジョンに問い詰められ、ごまかすシャーロック。
砂糖が原因と思っていたのは間違っていたとジョンに言われ、少し、としぶしぶ認める。
シャーロックはInnのオーナーのところに話にいく。
Gotta see a man about a dog.
犬が殺されてしまったオーナーに慰めの言葉をかけに行った。
少し優しいシャーロック。
なんでもないシーンのように見える、このInnの前の短いやりとり。S2E3へと続いている。
独房
モリアーティのアップ。
マイクロフトが彼を釈放しろと。
壁一面にシャーロックの名前が。
これが遠大な計画の司法取引であったことは、ずっと後でわかる。
推理作品としてはまとまってはいるけれど、人を殺すという時に特徴のある目立つトレーナーを着るか?とか、甚大な結果ゆえ中止された計画が一段階の短いパスワードで見られるのか?とか結構、つっこみどころはあるような気がする。
だがいつも理路整然とあっという間に高速推理するシャーロックが、とまどい、動揺する、未完成なところを見られるのは嬉しい。完璧で失敗がなかったらつまらない。ほころびがあるから魅力となる。つかもうとして手からこぼれ落ちるものこそいとおしい。
私たちがなぜこのドラマシリーズのシャーロックにこんなに惹かれるのか、その秘密をゲィティスは、ここでこっそり教えてくれているような気がする。