Sherlock S4E2-2
カルヴァートン・スミスのリムジン
ジョンは、カルヴァートン・スミスが差し向けたリムジンに乗り込む。メアリーの幻も一緒に。
Village Studios
建物の前に停まっている救急車にモリーとシャーロック。モリーは、渋い顔だ。
死者のほうが健康よ
その薬をやり続けたら、余命、数週間よ
モリーは、本気でシャーロックを怒りつける。
だが、逆にジョンはちょっと納得した表情だ。
ジョン: 本当に暴走状態なんだな out of control
てっきりトリックかと
シャーロック: これは計画だ
二人の間には微妙な距離感が。特にジョンにはシャーロックから離れようとする雰囲気がただよう。
シャーロック: 史上最悪の連続殺人犯だ。退治を手伝ってくれ
ジョン: 何の計画?
シャーロック: 教えない。君は反対するから
手伝ってくれといいながら、中身を教えない
計画というのが伏線。
カルヴァートン・スミスが出迎えにくる。
握手はしないよ、と言ってシャーロックにハグをするカルヴァートン・スミス。秘書やら、記者やカメラマンがぞろぞろついてまわり、メディア戦略とわかる。
リポーター: ホームズさん、帽子は?
建物の中では、カルヴァートン・スミスのキャンペーンの撮影がされている。
私はキラー
私はシリアルキラーだ I'm a cerial killer.
シャーロックが、ツイッターにカルヴァートン・スミスはシリアルキラー serial killer だと書いたのを逆手にとって自分の宣伝材料にしている。
カルヴァートン・スミスの後には、自分の大きな顔と文字が写しだされたスチール。そこにはI'm a cereal killer ! の文字。
ジョン: ラリっててもわかるだろ?利用されたのでは?
シャーロック: 素晴らしい、最大の隠れ場所だ。衆目の中
秘書が、社長が是非一緒に病院訪問へとシャーロックを誘いにくる。慈善の一貫、子どもたちも喜ぶと。
いいですよ、とシャーロックは朗らかだ。
ジョンは不審な表情。あの非社交的なシャーロックが子どものいる病院へ?
車に乗り込むとシャーロックはすぐにメールをうつ。ハグした時にカルヴァートンスミスの携帯をくすねた。シャーロックが誰に送ったのかは、後でわかる。
シャーロックは具合が悪そうに見える。病院までは待てると言いながら目をつぶる。
Saint Caedwalla's Hospital
看護師のコーニッシュと、ジョンが入り口で話している。後にはカルヴァートン・スミス病棟、の文字。
コーニッシュ: シャーロックのブログ大好き
ジョン: 僕のだ
これから何回か繰り返されるシャーロックとジョンの対比。
シャーロック = 主人公 = スター
ジョン = 助手 = 無名 という構図。
二人の会話に、トイレから出てきたシャーロックが加わる。
さっきとはうってかわってハイなシャーロック。自分でサイケデリックと言っているので、ドラッグを自分で補給したね。
コーニッシュ: あなたのブログ大好き
ジョン: 僕のだ
シャーロック: 彼が書いてる
コーニッシュ: 最近、質が落ちてない?
ジョンが書いているとわかると、ブログが途端につまらなく感じられる。ジョンは一瞬冷めた表情に。
小児病棟
拍手で迎えられるシャーロックとジョン。
看護師たちが口々に、あなたのブログ、最高!
面白くない表情のジョン。
シャーロックには盛大な拍手。ジョンへの拍手はまばらだ。ジョンの表情は微妙。
繰り返される二人の差。
ジョンは、S1E1からずっと描かれてきたように、シャーロックと同じく正真正銘のジャンキーだ。危険と冒険なしに生きられない。S4E1で描かれていたのは、それらに接することのできないジョンのフラストレーションだった。
それだけでなく、ジョンはシャーロックと同じようにドラマ・クイーンでもある。
ジョンの書いたブログで世に知られるようになったのに、喝采をあびるのはシャーロックだけであることにジョンは不満を感じる。主人公になれないジョン。
一旦は、シャーロックに同行したジョンだったが、病院で繰り返されるシャーロックとジョンの扱いの差は、フラストレーションをさらに高める。
カルヴァートン・スミスは、シャーロックに事件の話を、と促す。シャーロックはハイテンションで子どもたち相手に面白おかしく事件を解説する。
ジョンの目にメアリーが見えている。
メアリー: 例の帽子を。子どもたちが喜ぶわ
カルヴァートン・スミス: 質問がある
連続殺人犯はどう捕まえる?
コーニッシュが子どもたちに不適切では、というと、カルヴァートン・スミスは解雇をちらつかせる。
カルヴァートン・スミスは連続殺人犯の話を続け、女王が犯人だったらと。
財力、権力、名声もある。ある種の人間は不可侵の存在だ
シャーロックに対して挑戦している。
Directors Boardroom B-2
テーブルには記憶阻害剤TD 12の点滴がセットされている。
君の残り時間は20分、君の日常が崩壊するまであと20分だ、とシャーロック。
ゲームが始まったわ、まだ、私が恋しい?とメアリーはジョンに。
遺体安置室
具合が悪そうなシャーロック。
カルヴァートン・スミスは、解剖作業に入ろうとしていたチームに、またもや解雇をちらつかせて追い出す。
病院のどこへでも入れると、鍵の束を見せびらかすカルヴァートン・スミス。
遺体を軽んじるカルヴァートン・スミス。ジョンは思わずやめろ、と制止する。医師として見逃せない。
連続殺人犯H.H.ホームズ の話をしながら、遺体をモノのようにいじるカルヴァートン・スミス。ジョンは反射的に遺体に布をかけ死者の尊厳を守る。
繰り返されるモチーフ。医師としてのジョンは健在だ。
スミス: たくさんの殺人を隠したかったら、最適な場所は病院だ
私は連続殺人犯なのか?それとも君をからかってるのか? キミは医師か?
ジョン: 私は医師だ
ジョンは半信半疑だ。この不気味な男は本当に連続殺人犯なのか、それともジャンキー、シャーロックの妄想なのか。
カルヴァートン・スミスは、なおも、ジョンにたたみかける。この状況に可能は説明は二通りある。私が連続殺人犯か、あるいは彼が完全にラリって夢と現実を混同しているのか。
ジョンは、判断しかねている。
そこへ車の中からシャーロックがメールを送った、フェイスがやってくる。
シャーロックは、フェイスと一晩一緒にいた、チップスを食べたよ、と嬉しそうに微笑む。気にいられた、とも。
真偽を危ぶみながらシャーロックの話を聞いているジョン。
スコットランドヤード、取り調べ室、数日後
レストレードとジョンの会話がはさまる。
L: 知ってた?
J: 知るわけがない
L: メスをとる瞬間は?
J: 見てない
L: 予知できなかった?
J: 当然だ
遺体安置室
だが、部屋に入ってきたフェイスを見てシャーロックは混乱する。そこにいたのは、見たこともない女性。
取り調べ室
L: 前兆はあったはずだ
J: メスを持っていたなんて
遺体安置室
シャーロック: 僕を訪ねてきた女性は?
フェイス: 私じゃないわ
シャーロックの混乱振りを見て、ジョンの振り子は大きく触れる。全てシャーロックの妄想だった。ドラッグのせいで、シャーロックは、夢と現実を混同したのだ、と確信する。
尋常ではないシャーロックの混乱ぶり。ドラッグのせいもあるだろうが、楽しかった一晩を過ごしたフェイスとまた会えると、シャーロック自身が再会を楽しみにしていたからだ。
あれは誰だったのか?あんなに気があったのに。シャーロックの混乱の大きさは、それだけ彼が持っていた期待が大きかったためだ。その謎が解けるのはS4E3。