この小さな窓の向こうに

BBC「シャーロック」にはまる日々。今は亡きナンシー関を思いながら感想を綴ります。

Sherlock S4E1-3

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ディオゲネスクラブ

マイクロフトの部屋

ロージーちゃんの写真を見て、見たところ完全に機能してる、というマイクロフト。人間は不得意な分野でね、とつけ加える。

ここは軽いジャブ。

 

モリアーティはサッチャーに関心が?

 

 

サッチャーの胸像に興味をひかれているシャーロック。どうしてもモリアーティに結びつけてしまう。

 

マイクロフトの口から出たのは、モリアーティがボルジア家の黒真珠を捜していた、と。「ボルジアの黒真珠」は原作由来。

 

胸像とモリアーティを結びつけるシャーロック。死の予感。誰かが死ぬ。

 

世界は無数の命の糸で織られている。予感とはその糸の動きだ。糸からデータを汲み取れば、未来は計算可能。数学のように必然の結果だ

 

詩の朗読のよう。ベネディクトは、やっぱりいい声だね。

未来は計算できるというシャーロック。では、運命は変えられるのか?シャーロックは、死神に勝てるのか?

 

マイクロフトは、「サマラの約束」のことを持ちだす。

シャーロックは、その話を嫌い「スマトラの約束」と変え、商人は別の町で元気に過ごす、としたと。そして、商人はなぜか海賊に。

 

ここはマイクロフトがシャーロックに向けてサインを出している。繰り返される子ども時代の記憶。海賊、というキーワード。

 

ガラスが破られ、サッチャー像が割られているカットが挿入される。

 

次のカットは、男の横顔。アモ ammoという男の声が聞こえる。

 

イカー街221B

部屋の前には、ステラとレストレードが依頼人の相談が終わるのを待っている。

 

ステラは、ボルジアの黒真珠の資料を持ってきている。レストレードはステラのプライベートに探りを。

 

二人の会話で、10年前の難事件の捜査でシャーロックとレストレードが初めて知り合ったとわかる。

 

部屋の中では、 シャーロックが依頼人と話している。いつもジョンが座る椅子には赤い風船。

しかも、愉快な顔が書いてあって一見ユーモラスなシーン。

ジョン、とシャーロックが話しかけると、ジョンは隣の部屋から返事をする。

 

しかし、ゲィティスがユーモアたっぷりに描くシーンは内容はシリアスだ。プロローグがそうだったように。

 

ジョン:  風船は僕の代役

シャーロック:  自虐に走るな。君の助けは貴重だ

Don't be so hard  on yourself.

You know I value  your little contributions.

ジョン:朝9時からこう。ハドソンさんと数独

 

これは、依頼人の腕にアカコという日本人らしき名前のタトゥーがある、というシャーロックの次の言葉とつながる。

 

シャーロックが依頼人に超早口で壮大な嘘をまくし立てている間も、赤い風船は椅子に。ジョンは椅子の後には立っているが。。

 

シャーロックの心の中でジョンは遠い存在になっている。それをジョンも感じている。

でも、ジョンは優しい。シャーロックの監督者、後見人の場所から降りていない。シャーロックが必要とする時は、いつでも助けになろうと思っている。だから、隣室に。

 

そこへ、レストレードがまた別の割られたサッチャー像を持ち込んでくる。

 

the game  is on.

と呟くシャーロック。モリアーティが仕掛けている、と思っているから。

 

シャーロックは、壊された胸像の破片に血液が付着しているのを見つける。怪我をした犯人のものだ。

トビーに会いにいく、というシャーロック。

行き先は、国防総省をハッキングしてシャーロックが無罪にしたハッカー、クレイグの家。クレイグの犬がトビー。トビーという犬は「四つの署名」から。

 

クレイグの家の前

クレイグの家にいたのはロージーちゃんを抱いたメアリー。

221Bから  Busy?と、シャーロックがメールしていた相手はメアリーだった。

 

ジョンは、不機嫌だ。 

このシーンのマーティンの演技は、繊細だ。心外だったり傷ついたり、でもそれをシャーロックやメアリーに気づかれないように内に秘める。

 

メアリー?

なぜここに。子供は巻き込まない約束だ

 

わかっているという感じのメアリー。 

先に寝てて、とロージーちゃんをジョンに渡す。

 

ジョン:   なぜ君が?

シャーロック:  君より優秀だ。僕が呼んだ

 

メアリーは少し嬉しそうだ。

 

ジョン:  僕より優秀?

シャーロック: 凄腕の元諜報員だぞ

 

複雑な表情のジョン。

 

ジョン:  僕は家へ帰れと?

メアリー:  連れてく? Shall we take him with  us?

シャーロック:  犬の話? John  or the dog?

メアリー:  ジョンよ

メアリー:  ジョンは忠実で便利よ  He's handy and  loyal.

ジョン:  面白い  That's hilarious.

離婚したい気分   Is it too early for a  divorce?

 

連れてく?と言ったのはメアリー。犬の話にしたのはシャーロック。それに引っ掛けて返事をしたメアリー。

冗談だとわかっていても、やりきれないジョン。

ここのシーンを撮影した時、マーティンとアマンダは既に別れているから、なおさら微妙だ。divorceという台詞、わざといれたな、ゲィティス。

 

トビーは早いぞ、とシャーロック。犯人を追う三人、プラスロージーちゃん。 ジョンは、ロージーちゃんを胸に抱き、メアリーがトビーのリードを持つ。

だが、すぐにトビーは座りこんでしまい、動こうとしない。

 

シャーロック:   遅いが正確   Slow but sure.

君と同じだ

ジョン:   この犬が好きなんだろ

シャーロック:   君のことも

 

またもや、ジョンを犬と一緒にするシャーロック。この会話、状況が違っていれば楽しい会話だが、今は。。

 

トビーのシーンで続くシャーロックとジョンの関係の描写。

メアリーはジョンより優秀、というシャーロックの言葉。

犬とジョンを同列にするシャーロック。

心からジョンを尊敬し信頼していた、あのシャーロックはどこにいったのか?

 

しかも、メアリーとシャーロックが一緒になって、事件解決へのジョンの役割を軽く扱う感じが見える。

メアリーは、ジョークで言っているかもしれないが、シャーロックは本当に、ジョンよりメアリーの方が優秀だと思っている。三人の関係が S3E2とは変わってしまったことが、ここではっきりわかる。

ジョンの孤独。

 

バラ・マーケット

トビーが走りだし、三人を連れて行ったのは、バラ・マーケット。大量の動物の血が道に流れている精肉店の前だ。犯人の方が一枚上だった。トビーではなく、シャーロックよりも。

ドラッグが切れ、シャーロックはプロローグの絶不調から復活できないでいる。

 

シャーロックはトビーの首に手をやり、

気にするな。次はうまくいく

 

ワンコには優しいシャーロック。犬には素直な自分でいられるからね。自分を守る必要がない。 

 

ジョン:  モリアーティでは?

シャーロック:  このゆがんだ感じは彼だ

It's too bizarre ; it's too barroque.

僕の首を絞める罠を張ってる

 

なんて言ってるけど、シャーロックが歯がたたなかった、ということだけなんだけどね。調子が悪いシャーロック。まだ、モリアーティにこだわる。事態をずっと見誤り続ける。

 

長い長い伏線と見える、シャーロック、ジョンの関係の変化。これが終盤へ続いていく。