この小さな窓の向こうに

BBC「シャーロック」にはまる日々。今は亡きナンシー関を思いながら感想を綴ります。

Sherlock S1E3-1

シーズン1 エピソード3  

The Great Game

 

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脚本:マーク・ゲイテイス

監督:ポール・マクギガン

メインのストーリーも、アナザーストーリーも、映像も、どれも完成度が高い珠玉の様な作品。

 

イカー街221B

シャーロックは珍しくジャージみたいな部屋着だ。上に羽織っているのは絹の青いガウン。

退屈して壁に発砲。退屈は彼にとっては最大の敵だ。

 

ジョンが書いた「ピンク色の研究」のブログで地動説を知らないと暴露され、ご機嫌斜めに。ジョンのブログを見てみた。新しい書き込みはもう無いが、今でも読める状態になっているところはさすがBBC  http://www.johnwatsonblog.co.uk/blog/07february

 

 彼はある部分については驚くべきほど無知だ。首相の名前とか地動説を知らない。

 

 What's incredible, though, is how spectacularly ignorant he is about some things.

 This morning, for example, he asked me who the Prime Minister was. Last week he seemed to genuinely not know the Earth goes round the Sun.

 

 

もちろん、シャーロックのこういう部分は原作「緋色の研究」で既に示されているからファンは知っているが、このドラマではシャーロックのアンバランスなところをあえて強調しているかな。メインストーリーの伏線にもなっている。

 

ジョンには背中をまるめてふてくされていたが、ハドソンさんが階段を上がってくると姿勢を正していい子に。

ハドソンさんがYou two had a little…domestic?と。あなたたち、夫婦喧嘩でもしたの?

 

部屋を出ていくジョンを窓から見ているシャーロックの姿が、置いていかれた子どもみたいで可愛い。すると、爆発が。

 

サラの家

翌朝、サラの家のソファで寝たジョン。朝食は、とサラが言う。いいねとジョンが返すとじゃあ自分で作ってね、とサラ。

 

イカー街221B

爆発を知ったジョンが大急ぎで帰ってみるとシャーロックとマイクロフトが向いあって座っている。シャーロックの手にはヴァイオリン。

 

本題に入る前に兄弟のかけひき。サラの家のエアマットで寝たのか?というシャーロックに、いや、ソファだ、とマイクロフトが訂正する。マイクロフトの観察眼が一枚上であることが明白。

マイクロフトは事件の依頼に来ている。シャーロックは忙しいと拒否。マイクロフトは国家の大事だと 、だが自分は韓国の選挙で多忙、ともったいをつける。

さらに、

 

Besides,a case like this. It requies・・・(infinite disdain)・・・leg-work.

 

スクリプトでは、「最大限に軽蔑した言い方で」で、と。

 

レストレードから電話がはいり事件の依頼。

来るかい?とシャーッロック。君が望むなら、とジョン、もちろん!僕のブロガーがいないと困るから。

I’d be lost without my blogger.

 

この会話は楽しい。愛情あふれるやりとりだ。I’d be lostは、単に困るというより、おきざりにされる、とかどうしたらよいのかわからない、

とかいう感じ。

シャーロックの素直な気持が思わずこぼれる言葉だ。

 

スコットランドヤードへ移動するタクシー

ガラス越しのショットが美しい。映り込むロンドンの風景。この回はこの後もヤードやバーツの中で何度もガラス越しや、ガラスのフレーム越しのシーンがあって美しいカメラワークが堪能できる。

 

カール・パワーズ事件

イカー街221C

最初にかかってきた人質を使った電話の最初の一言は、

Hello,sexy.

 

これは後でわかることだけど、モリアーテイが人質に言わせている。つまり、モリアーティが言っている。

この後も何回もモリアーティはS2E3までsexyを使う。彼にとって特別な意味をもつシャーロック。

 

その2に続きます。